てぃおるの妄想録。

妄想・思考のはけ口。書きたいことをうんざりするほど書きたい。

「タビ」をする。

以前こんなことを考えた。

「旅旅って言うけど、自分旅で何を得たの?」

「旅旅って言うけど、みんな旅で何を得たの?」

 

これがまあわからない。実際のところ旅というものが自分に何をもたらしているのかがわかっている人なんてほとんどいないのかもしれないけれど、それでいて旅はなぜこうも多くの人を魅了するアクティビティになりえたのだろうか。

 

旅をするメリット

旅をするメリットをとりあえずあげてみた。

  • 価値観が広がる
  • 世界の文化についての知識が深まる
  • 楽しい
  • 主体性を獲得できる
  • 日本ではできない経験が得られる
  • 危機管理能力の底上げができる
  • 新しい出会い

もちろん他にもあげればあると思うがキリがないし、パッと思いつく範囲でこれらに絞った。

 

ここでは旅というものを、「ツアー等を組まず、自らの力で目的地に行ったり、したいことをする海外旅行」と定義している。

 

そう考えれば、世界の文化への見識が深まることや、自らの力で目的地へ行くこと(これが意外に難しい。観光地には、右も左もわからない観光客をカモる悪い輩がたくさんいるのだ)によって、主体性を獲得できることなどのメリットはとても意義深いように感じられる。

 

しかしながら、この中で僕が一番ひっかかることがある。それは、価値観が広がることだ。

 

おそらく旅に限らず、留学やワーキングホリデー、その他諸々においても、このようなことを言う人が多い。価値観が広がった、視野が広がった、考え方が変わった、等々、似たような表現はたくさん見てきただろう。

 

そんな旅を通して得られるものランキング第1位(勝手につけた)の「価値観が広がる」。

果たしてこれはなんだ?

 

価値観は広がるのか?

価値観という言葉にフォーカスして考えると、価値観とは言葉の通り、ある個人や社会、団体がおく「価値」に対するものの見方である。

例えば牛。日本人個人ベースでみれば、牛肉が好き、牛乳は嫌い、など様々な価値観(好き嫌いも、立派な価値観のひとつである)があり、これがヒンドゥー教を信仰するインド人となると、たちまち牛は神聖なものとなり、牛肉を食べるなんてことはしなくなる。これらが、各々が「牛」というものにおく「価値」であり、これらをまとめて価値観と言うのだろう。

これらが広がるとはどういうことか??

 

今度は広がるにフォーカスして考える。

価値観が広がるということは、あるものに対する評価(つまり価値を定めること)の幅が広がるということである。

つまり、今まで自分が価値を定めていたものに対する見方が変わったり、それらを含めて別の範囲にまで価値が及ぶことを意味しているということなのだろうか。

 

だとすれば、具体的に旅をすることによってどのような価値観の拡張が発生するのか??

 

価値観は深化しているだけ

結論から言うと、僕は旅を通して価値観を広げることは難しいと感じた。なぜかというと、僕の場合変化が起きたのは価値観の拡張ではなく、深化、あるいは同化だったということである。

 

 

「旅は価値観を広げる」という一見真理のように見えるこの一般論は、「旅は価値観を広げた!」という旅人たちの経験談によって、逆説的に価値観を画一化してしまう可能性があるということである。

 

 

 

そう疑うようになってから、僕は旅をするのが怖くなった。僕が欲しいのは、きっかけでも、楽しい思い出でも、はたまた絶景を見てあーだこーだ言うことでもない。

 

僕は価値観を広げたかった。でも変わらなかった。ただ自分が旅に向いていないだけかもしれない。あるいは、人気のあるものに対する反動かもしれない。

とかいって、実はその同化を羨ましく思っている自分がいるのかもしれない。

それらを全て横に置いて考えてみても、僕は旅で何を得られたかって言ったら、これは本当にわからない。

 

あーわからないわからない。笑

 

てぃおる

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